仕事の進め方に対する私達の考え方

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 いま、かつてないほど「見える化」が注目されています。
 書店に行って書籍棚を見ると、多くの「見える化」の書籍が並んでいます。 また、セミナーもかつてないほど頻繁に、この「見える化」をテーマにしたものが開催されています。

 見える化のルーツはトヨタの生産方式ですが、「見える化」と言う本を執筆された、遠藤氏は「見える化」には以下の5つのカテゴリーがあると書かれています。

 ① 問題の見える化
 ② 状況の見える化
 ③ 顧客の見える化
 ④ 知恵の見える化
 ⑤ 経営の見える化

 私達がサービスする「仕事の管理」機能において、「見える化」すべきカテゴリーは次の2つです。
 ① 問題の見える化
 ② 状況の見える化

 この2つのカテゴリーについて、私達が提案する「仕事の管理」手法について述べて行きます。
 

1. 仕事の断片化管理とは

 「断片化管理」などという仰々しいことばを見て、「なんだろうか?」と思われた方も多いと思います。

 簡単に言うと、仕事を断片的に捉えて、「仕事の部分部分を専門的なツールで管理する」と言うことです。

 通常行われている仕事の管理のしかたは、仕事を「アポイント」「ToDo」「プロジェクト」と言うように、「仕事の一部を取り出して、別々に管理する」と言うやり方です。

 このような管理のしかたを、我々は「仕事の断片化管理」と呼んでいます。
 

2. なぜ断片化管理が行われてきたのか?

 歴史を振り返ってみると、われわれは「全体を部分に細分化(断片化)し、細分化されたものを分析して理解することで全体を理解できるという、300年前にデカルトが発明した方法によって、この工業社会を発展させてきました。

 仕事の管理の歴史も同様の道筋をたどってきました。
 スケジュール管理とは、仕事が比較的単純で、スピードや変化も速くない時代(20~30年前頃まで)に行われていた仕事の管理手法です。

 この頃の仕事は、オフィスで働く人でも毎朝出社すると決まった仕事が待っていて、それらを順番(シリアル)に処理すれば事足りた時代で、仕事自身も複雑ではないから、仕事に関する依頼や調整で頻繁に会議を開くと言う状況ではなかったため、会議以外の時間は、待っている自分の仕事をするという仕事のスタイルでした。
 このため、仕事全体の中でも特に、他人との約束であるアポイントを管理することが重要でした。
 なぜなら、アポイントのダブルブッキングを防ぐと言う大きな目的があったからです。

 このようにして、「仕事の管理=アポイントの管理」と言う図式が確立されていきました。
 

3. アポイント管理の限界

 しかし、20世紀の後半からは、世の中が複雑化、精緻化、高度化、スピード化、大規模化するに及んで、このデカルトの断片化の手法では物事を捉えきれなくなってきました。

 このようにして、生まれてきた考え方が、「全体を全体として捉える」ホリズム(弊社の社名の語源となったことば)です。(複雑系の考え方とも言います)

 このような傾向は、私達が抱えている仕事にも同様のことが言えます。

 現在は、20~30年前とは大きく異なる面があります。
 それは、市場の性格が、「企業主導」から「顧客主導」へ、大きく変わってしまった(進化した)ということです。

 このため、仕事自体の性格が大きく変化し、オフィスで働く人が持つ仕事が従来のように順番にこなしていける量ではなくなってくることで、仕事の質を考えることが必要になってきました。
 仕事に優先度をつけて実行することが必要になり、完全に2:8の法則(パレートの法則 : 20%の仕事が80%の成果をもたらす)が働くようになってしまったのです。

 これに輪をかけて仕事の性格を変えたのは、仕事が複雑化、スピード化、大規模化、短納期化するに及んで、仕事の管理と言う範疇が、アポイントだけでなく、自分が行うべき仕事(ToDo)の管理を行なうことの重要性が生じてきたことや、とくに大きな変化はプロジェクトと言う仕事の形態が新たに発生してきたことでしょう。

 このため、アナログの世界ではシステム手帳が開発され、アポイントの管理のみならず、ToDoを管理するリフィル、はたまたプロジェクトを管理するリフィルなどが登場してきました。

 またデジタルの世界ではタスク管理ソフトや、プロジェクト管理ソフトが開発されました。

 しかし、これらの方法は新しく変化した仕事の全体を把握できるようにしたのではなく、まさに従来の仕事(=アポイント)の管理に新しい機能を断片的にアドオンしたものでした。

 まさに、他人とのアポイントを管理するスケジュール管理の機能とは別に、自分の仕事を管理するタスク(ToDo)管理、それにプロジェクトを管理するプロジェクト管理と、仕事の断面を捉えて、その断片を専門的に管理する機能を付け加えたのが仕事の管理ソフトの今の姿なのです。
 

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4. 仕事の実態を捉えられない断片化管理

 しかしこのように、仕事の管理と言うものを細分化し、専門化したことでさまざまな問題を抱えることになりました。

 その大きな問題は、「『仕事』というものが見えなくなる」と言った現象です。

 たとえば、プロジェクトマネジャーはプロジェクト管理ソフトで自分の管理すべき仕事を管理するようになりました。
 このソフトは、複雑且つ制約条件が厳しい仕事をコントロールしていくために、非常に高度で、精緻で、便利なものです。
 しかし、このソフトの範疇でプロジェクトを管理しているのでは、確実に問題が発生します。
 チームメンバーの仕事や、仕事の進捗の「実態が見えない」ということです。

 しかも、この問題は、プロジェクト管理ソフトでは解決できない類のものです。

 できるプロマネが、プロジェクトと言うレベルで仕事をしていないことを考えると、その理由がおのずと理解できるでしょう。

 もちろんこの問題は、プロジェクトマネジャーのみでなく、個人が抱える仕事についても、あらゆる場面で発生してくる問題です。

 仕事が見えないことで発生してくる問題は、上に書いたような問題以外にもいろいろあります。 たとえば、

◆ 仕事が見えないことで、生産性が落ちる、手戻りや重複が生じる

◆ 仕事が見えないことで、精神的なストレスが発生する、心身に不調をきたす

◆ 仕事が見えないことで、コミュニケーションが悪くなる、職場がギスギスする

 などなど、さまざまな仕事の局面に悪影響を及ぼします。
 

5. 今必要な「仕事の見える化」

5.1 「総合」と言う手法の限界

 最近のグループウェアの「仕事の管理」機能の流行は、「すべての仕事の管理機能を『総合』する」と言うことです。

 どういうことかと申しますと、最近のグループウェアの宣伝文句を見るとわかりますが、

 仕事の管理に必要な、「スケジュール管理機能、タスク(ToDo)管理機能、プロジェクト管理機能」すべてを『総合』的にサポートしました。

 などという文句が踊っています。

 しかし、その実態は、これまで専門的に作ってきた諸機能が、「空間的に『同居』している」構造に過ぎないのです。

 これは、「仕事」と言うものの本質的な性質を見直すことなく、必要になった機能をその都度『継ぎ足して』きたからに過ぎないからです。

 これでは、「『仕事』と言うものの全体的な把握=仕事が見える」には程遠いものとしか言いようがありません。

5.2 「仕事が見える」とは

 それでは「仕事が見える」とは、どのようなことなのでしょうか?

 少し理屈っぽい話をしますが、ご容赦ください。

 私達が行なう「活動」には、かならず「時間」と言うファクターが入ってきます。
 旅行、日曜大工、はたまた料理を作ったりおしゃべりをしたり、等々、我々はかならず「時間」と言うものを消費して「活動」を行います。

 仕事は活動の一部ですから、すべての仕事には「所要時間」というファクターが入ってきます。
 我々は、仕事と言うものを便宜的に「アポイント」、「ToDo」、「プロジェクト」と言う風に、細分化(断片化)しましたが、すべての仕事は、次の3つのファクターで成り立っているのです。

 ① 名前 : 仕事につける名称です。
 ② 所要時間 : その仕事にかける時間です。
 ③ 何時やるか : 仕事の有効な期間です。

 そして、誰と行なうのかや、優先度などは、仕事の付加的な性質です。

 あらゆる仕事をこの3つのファクターで記載してやると、実は仕事と言うものが見えてくるのです。

 その仕組みを、当社が販売している「仕事の管理」ツール、TaskTimerで見てみましょう。
 

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6. 新しき酒は新しき皮に

 TaskTimerは、「仕事を仕事として」管理するソフトです。

 ここでは、「仕事を仕事として管理する」ということがどういうことなのかを、TaskTimerの機能を紹介しながら説明します。

6.1 TaskTimer のタイムマネジメント機能
 
 従来のグループウェアのスケジュール管理の機能というのは会議や打合せなどの日常業務のアポイントメントの管理のみであるため、仕事の全体を把握できないので、「なぜか仕事の繁忙感の割には成果が出ない」と言う悩みを抱えているビジネスパーソンが多く見受けられます。

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(1) TaskTimerは、「仕事」を管理します。

 TaskTimer では、プロジェクト、ToDo、コンタクト、アポイントなどすべての仕事を一元的に管理します。
 すべての仕事は、時間で表示されるカレンダー画面(アポイントメント画面)に、ドラッグ&ドロップすることで、実行する時間を確保することになります。

 この段階で仕事には、プロジェクト、ToDo、コンタクト、アポイントといった区別が「外見上」なくなります。

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 TaskTimerのポータル画面である、デイリービュー
 

(2) 仕事の分布や量の計測が可能になります。

 すべての仕事をリストアップし管理することができるので、個人やグループの仕事量の把握が可能になります。

 従来のグループウェアのスケジュール管理機能では、仕事の全体を把握できないので、個人やグループの仕事量の把握ができません。
 こう言った「自分がどれくらい仕事を抱えているか」と言ったことを計測しないまま仕事をしていると、緊急の仕事を優先してしまう(水路化現象)ことになり、重要な仕事が後回しにされることになります。

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 TaskTimerのもっとも特徴的な画面で、この画面で「仕事の全体像」を把握することができます。
 

 この画面においても、外見上はプロジェクト、ToDo、コンタクト、アポイントといった区別はありません。(色分けしたりすることで区別を付けてはいますが)
 5.2章で書いた3つのファクターのみで表示しているからです。

 上の画像では、自分やチームメンバーがどんな仕事を抱えていて、それらが誰から依頼された仕事か、いつまでにやる仕事であるのかを把握することができます。
 その期間の仕事の分布状況や負荷量がわかって初めて、自分やチームメンバーの「仕事の調整が可能」になります。

(3) 仕事に優先順位を付けることができます。

 仕事量の把握ができると、仕事に優先順位を付ける(アイゼンハワーの原則)ことができるようになります。

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(4) 優先順位に従った仕事をすることで、生産性向上を図ることができるようになります。

 自分の持っている仕事に優先順位を付けることができると、優先度の高い仕事から片付けることができるようになり、より成果に結びつく仕事を優先的に実行できるようになります。(パレートの法則)
 自分にとって優先度の低い仕事は、やめるか部下に委任しましょう。

 また、重要な仕事は能率の上がる時間帯に行います。(プライムタイムの原則) このため、生産性を向上できるようになります。

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6.2 TaskTimerのチームマネジメント機能
 
 TaskTimerは、プロジェクトチームのマネジメントを効果的に実行できるように、以下の特長を持っています。

◆ 使いやすい : たいていのプロジェクト管理ソフトは、複雑で操作が難しい。

◆ リアルタイムの管理が可能 : 日々の仕事の活動からプロジェクトの進捗の把握ができる。

◆ マルチユーザーによるアクセスが可能

◆ 複数のプロジェクト/サブプロジェクトを扱うことが可能
 

 TaskTimerのチームマネジメント機能概要

◆ 先進のガントチャート : 複数のプロジェクトのアクティビティフローの表示

◆ 計画からの逸脱をスピーディーに把握

◆ 進捗状況のカラー表示、進捗報告の自動化

◆ タスクの自動委任 : チームメンバーの作業負荷とスキルによるシミュレート・自動委任

◆ タスクの相互依存関係/PERT-Time表示

◆ アカウント機能 : コスト/時間の予算/実績管理

◆ プロジェクト/タスクの財務状況の表示

◆ インボイスデータのエクスポート機能

◆ タイムシート機能

◆ シンクロ機能 : (Notes/Domino、Outlook/Exchange)
 
 
(1) プロジェクトの仕事も、日常の仕事(ルーチンワーク)と一緒に各担当者のスケジュール画面に自動的に表示され、日々の仕事の実績を通してプロジェクトの進捗に自動的に反映されます。
 担当者が日々こなす仕事の実績からプロジェクトの進捗をリアルタイムに把握できるので、投下時間と進捗に関するリアルタイムの「異常値管理」が可能になります。
 

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 異常値管理のためのマトリクス
 
 
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 進捗の遅れなどがわかれば、具体的に担当者の仕事全体の状況(当該のプロジェクトの仕事のみならず、ほかにどんな仕事を持っているかやその仕事が誰から依頼された仕事か、優先度はどうかなど)が「見える」ので、タイムリーに手を打つことができます。

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 このため、担当者とワンン・ツー・ワンで対応できるので、進捗把握のために開催する会議の多くが不要になり、旧来の非効率的なプロジェクトの運用方法が改善できます。

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(2) プロジェクト計画の作成のために多大な情報を初期設定する必要がありません。
 プロジェクトといっても、基本的には構造化された仕事の集まりに過ぎません。TaskTimerでは、仕事の管理のために設定されている情報をもとにプロジェクトを作成できるので、プロジェクト管理専用ソフトのような複雑な情報を初期設定する必要がありません。

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 また、プロジェクト作成を支援するウィザードを用意していますので、プロジェクト管理の専門でない方も簡単にプロジェクトを作成・運用できます。

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(3) プロジェクトの委任計画をシミュレートできます。 担当者のスキルと作業負荷を見ながらプロジェクトの委任を計画できます。
 プロジェクトの仕事をチームメンバーに委任する場合は、メンバーのスキルやそのレベル、仕事の負荷状況を見ながら適切なメンバーへの委任がスムーズに行えます。

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(4) 蓄積データの有効活用
 TaskTimerに蓄積されたすべてのデータは、SQL/CSV形式で利用可能です。

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 このように、TaskTimerを活用することで、会社の中のあらゆるプロジェクト(受注プロジェクト案件のみならず、社内の業務改革プロジェクトや拡販プロジェクトのようなさまざまなプロジェクト)を簡単に仕事の中に取り込むことができるので、従来のグループウェアやプロジェクト管理ソフトではできなかった、担当者の仕事(会議やアポイントメントのみならず、どんな仕事を持っているかやその仕事が誰から依頼された仕事かなど)すべてを「見える化」することができ、「担当者の仕事が見えない」とか、「なぜ仕事が遅れているのかが見えない」と言った、マネジャーの悩みを一挙に解決することができます。